2013/06/05

[感想文]齋藤 勝裕 「へんな金属 すごい金属 ~ふしぎな能力をもった金属たち~ 」



三行レビュー

「金属」がテーマの雑学集。冒頭で述べられているが、周期表の元素92種のうち70種類が金属である。広すぎて「金属」というくくりにほとんど意味がないのではないかとは思うものの、歴史から現代科学にわたる金属の雑学が広く浅く得られて面白い。



感想

取り立てて感想を述べるような本でもないが、あまり普段関わることのない産業用素材のことが知れてよかった。特に、金属にまつわる歴史上の事実などは意外と知らなかったことが多く、興味深かったので備忘録的にメモっておく。


プラチナ
インカ帝国を滅ぼしたスペイン人は大量の金銀財宝を本国に送ったが、プラチナの価値を理解できずに捨ててしまった。一説によれば、融点が2041度と高すぎて使えなかったからだという。ところが古代エジプトにはプラチナ製の宝飾品(テーベの小箱)が残っており、これは粉末冶金の技術を利用して作られたのではないかと言われている。

・大仏公害
奈良の大仏を金メッキする際、アマルガム法(水銀に混ぜて塗布し、水銀を蒸発させて金だけを残す)を用いたため、蒸発した水銀が奈良盆地を汚染したせいで平城京はわずか70年で放棄されてしまったのではないか、という説がある。

・タリウム事件
静岡の女子高生が母親に毒物のタリウムを盛ってその経過観察記録をつけていた事件。この事件は2005年と最近の事件なので覚えている。女子高生はまだ20代半ばのはず。確か当時彼女が書いていたブログもあったはず。すっかり忘れていたがその後どうなっているのだろうか。

・チャンドラバルマンの鉄柱
デリーの鉄柱としてよく知られる。1500年間さびていないこと、当時にしては非常に高い純度の鉄であること(99.75%)であることから、オーパーツといわれることもある。錆びない理由は成分に含まれるリン酸が鉄と化合して不動態皮膜を作っているからだとか。
現代でもリン酸鉄皮膜処理というものがあるが、古代インドの技術もすさまじい。

・石油の有機物起源説の根拠
バナジウムは通常鉱床を作らず広く分布するので採掘が難しいが、生物濃縮されるという特徴がある。石油にバナジウムが地殻に存在するよりも高い密度で存在するということが、石油の有機物起源説の根拠の一つである。

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